日本財団が2018年から継続的に行っているインターネットアンケート「18歳意識調査」というのがある。日本・アメリカ・イギリス・中国・韓国・インドの18歳が調査対象で、その結果はwebで公表されている。
調査ごとにひとつテーマを設けて行うので1年に何度か調査があるのだが、その第62回のテーマは「国や社会に対する意識」で、今年の4月3日に結果が公表された。興味深い結果だった。
例えば「自分自身について」という設問で「自分のしていることには目的や意味がある」「将来の夢を持っている」「自分は他人から必要とされている」「自分には人に誇れる個性がある」の項目が、日本の18歳は他の国に10pt以上差をつけて同意するとの回答が少ない。「社会との関わり」では特徴的に「自分は大人だと思う」「自分の行動で国や社会を変えられると思う」が5割を切っている。「自分の生活についての満足度」で「総合的に見た自分の人生」に満足しているとの回答は、日本が唯一7割を切った。また日本が唯一、「自分が生きていくうえで、他人に迷惑をかけないことは重要だ」が7割を超えた。「人生において大切にしたいと思っていること」では「家族」との回答が5カ国で最も多い一方、日本では「自身の好きなことややりたいこと・趣味」との回答が最も多かった。
人生において大切なことは自己実現だが、そんな自分を大人だとは思えていないし、自分の力で社会を変えるなんて絶対不可能。生きる上では他人に絶対迷惑をかけてはならないと感じているらしいことが浮き彫りになっている。「若者」の生き難さがみごとに現れているのではないか。
一人ひとりを見ればそうではない場合もあるだろうが、傾向について全体的な感覚は伝わる。ということは18歳にこんな考え方をさせているのは社会──つまり「わたし」だということが明らかになったのだ。幼稚園のあり方を見直す必要は充分あるなぁ。
2024
15Sep